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他社製品のテスト

最終更新: 3月19日

昨年より、とあるコイルの問い合わせが何度かありました。そのコイルはどうなの?という質問です。ホームページを見たところ、使用部材が他社より遥かにすぐれているという記載しかなく、コイルの試験データなどは一切無かった為、特に気にしていませんでした。

ちなみに、その材料とはごく一般的のもので、特にハイレベルという物ではありません。(一般的な品質以下の材料を使用する海外工場が沢山あるため、それら材料をアピールしているものと思いますが、そもそも高品質なコイルを提供している工場にとって、その材料はアピールポイントにはなりません。)


しかし、最近お客様よりお送りいただいた動画が当社(と見られる)コイルを比較した内容であり、しかもそのコイルの性能が劣るという評価でしたので、名誉挽回のため当社で比較試験をしました。すると、なんとこのコイル(以下Aコイル)は純正以下の性能だったのです。


動画はハンディテスターを使用して電圧を測定していますが、4気筒エンジンにメーカーの異なるコイルを装着し、それぞれの2次電圧を比較するというものです。Aコイルが他コイルより1.5倍程高い電圧を発生するのですが、


疑問

要求電圧(スパークプラグギャップ間をジャンプする為に必要な電圧)はどの気筒も同じです。つまり、電圧差は発生しません。なのに、なぜ差が発生するのか?もちろんターボなどで負荷が異なれば変わりますが、アイドリングは負荷が低く、基本的にはすべての気筒が同じです。ではなぜ1.5倍なのか?

テスターの性能、コイルの構造が影響しているかもしれませんが、それらが影響していないとして、一番簡単に各気筒ごとの負荷を変える方法があります。

それはプラグギャップを変えることです。


まずはこの疑問を確認すべく、この4気筒エンジン用コイルの2次電圧と立ち上がり(立ち下がり)をチェックしました。

下記は純正(オレンジ)とAコイル(黄)の比較です。


はい、予想通り、変わりません。しかし、ここで判明したのは純正コイルの方が立ち上がり(立ち下り)が早いのです。つまり、純正コイルの方が性能が良いのです。

ちなみに下記は純正(オレンジ)と当社IPコイル(黄)です。

ほぼ同じです。

ここで、動画の信憑性が低くなりました。そして、このテスターの精度が高く、正しい測定ができているとするならば、このエンジンはAコイルが装着された気筒だけなぜか負荷が高くなっている(要求電圧が高くなっている)という事になります。


次に、Aコイルのパフォーマンスを測定しました。

まずは2次電圧。どちらのコイルの方が高い電圧を発生できるのか、を見るには電気的な負荷をかける必要があります。

下記は純正(オレンジ)とAコイル(緑)の比較

なんと、純正以下です。

参考までに、当社IPコイル(緑)は、


もちろん、純正より高い電圧を発生します。


次に、2次電流、実際に火花に流れる電流です。着火性能に大きく影響します。

下記、純正(オレンジ)とAコイル(黄)

2次電圧が低かったので、2次電流は高いだろうと思っていたのですが、こちらも純正以下。

下記、純正(オレンジ)と当社IPコイル(黄)


もちろん、当社IPコイルは全域で純正より遥かに高出力です。


次に、エネルギーを測定。2次電圧、2次電流共に低いので、当然、エネルギーも低く、まとめた資料(OE:純正、IP:当社、他社:Aコイル)の通りです。


結果、Aコイルはドエル2.5msの時のみ、純正を少し上回りますが、それ以外はすべて純正以下の性能という事が分かりました。



よって、当社製品をご愛顧いただいておりますお客様、ご安心ください!


正しい知識と経験、そしてコイル計測に適したオシロスコープとプローブを使用しないと、正しいコイル性能評価はできません。





#IPパワーコイル #他社比較